梨とリンゴ

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感謝(しな)祭!

七面鳥を焼くのは料理ではなくて儀式なのである

 11月の第4週目の木曜日から感謝祭 (Thanksgiving Day) のホリディがはじまる。アメリカ中で感謝祭の食事を囲む為に家族や親戚、あるいは知人達の移動が起こる。感謝祭の伝統的食事は、嘗てニューイングランドに入植した清教徒達が先住民から教わったターキー(七面鳥)料理である。近年のアメリカでは感謝祭に4600万匹の七面鳥が食されているとの事、凄い!

 毎年、この感謝祭を自宅で過ごす時には、例外なく七面鳥を焼いている。鳥の丸焼き(ロースト)である。七面鳥の料理は多くの家庭の台所に設置してある、オーブングリルに入れて焼くだけなので難しくはないが時間はかかる、肉の塊りの深部まで熱を通す為におおよそ4時間程の調理時間(忍耐)が必要である。七面鳥が焼けるまでの時間と芳ばしい香りは集まった人々が楽しく過ごす為の前菜なのである。

 感謝祭になぜ七面鳥を料理するのかは、ただ伝統に従っている行事だからではない。七面鳥の肉の塊りはずっしりと重く両手を使って抱える様に持たなければ運べない。その巨大な肉の塊りはどす白く、表面の皮はブツブツがありグロテスクで正直キモい。しかし、それであるからこそ生命(いのち)を感じ、犠牲を実感する。調理され皿に盛り付けされた肉片ではほとんど感じる事が出来ない、他の命を頂いているのだ!という事の体得。これこそが感謝祭で七面鳥を料理する事の意味であり。正確に表現するならば料理ではなくて儀式(神事)である。感謝際はアメリカ人に命の在り方、有り難さを教えてくれる貴重な機会なのである。