梨とリンゴ

ニューヨークとっとり応援ブログ!

ニューヨークのグレイな春

ロングアイランドシティから望むクィーンズボロブリッジとマンハッタン

 4月になると気分は春という事で、明るく晴れた暖かい日々が続くというのは幻想である。実際はそういう晴天もあるが、雨が多く寒暖の差が激しい期間が暫く続くのがニューヨークの春である。満開の桜の木の下でスキヤキを囲もうとする仲間内の計画があったのだが、天候うんぬんで流れてしまい、来年に持ち越すという結果になってしまった。

 4月の某日、クイーンズ地区にある高層ビルから眺めたマンハッタンの光景は灰色であった。映し出す色が灰色というのは都会らしい色彩であるのかも知れないが、僕はここに季節の手間事を感じた。パレットに余った多色の水彩絵の具を水で洗浄する時に、水道を流しながら筆で絵の具をかき混ぜ洗いこする時、下に落ちてシンクに溜まり下水に流れる水の色が灰色でこんな感じの色になるのではないかと感じた。つまりグレイ色とは洗浄中の色なのである。やがてパレットには新しい原色が絞り出される事になる。鮮やかな色彩で絵を描くために、まず使用するパレットを綺麗にするのが続く春の雨天なのである。