梨とリンゴ

ニューヨークとっとり応援ブログ!

蝉の声

蝉曰く、人間に鳴き声を聴いてもらう為に鳴いてんじゃねえぞ!

 日本人は虫の声が聴ける、と言われている。7月も後半となり暑い毎日が続いている。仕事先の裏側に大きな森があり仕事の合間に森の緑を眺めそこから流れてくる夏のそよ風にあたる時、その森から蝉の声が運ばれてくる。日本の蝉は地上に生きる短い期間を惜しむように激しく鳴くが、ここら辺の蝉の鳴き声はとても穏やかで紳士的である。蝉の鳴き声は夏を盛り上げる、夏に無くてはならないBGMである。

 ところが、この蝉のBGMを愉しんでいるのはどうやら自分だけらしい。おそらくそれは蝉、蝉の声を常日頃から意識しているかどうかの違いであろうと思う。また日本の郊外の夏を経験してきた少年時代の記憶が夏イコール蝉の声を期待する連鎖反応を起こしているのかも知れない。

 蝉は全力で鳴いている。その鳴き声を聴ける耳を持っていたいと思う。それは情緒とか感性というのであろうがそれ以上であると思う。今日も暑いが、暑い夏を楽しみたい。このくそ暑い夏の期間は短く、それは蝉が地上で鳴き生きる時間の様にも感じる。