梨とリンゴ

ニューヨークとっとり応援ブログ!

月のうさぎとおじいさん

明け方の満月

 今年はうさぎ年、新年を迎えて今日が最初の満月の日。今朝はステアリングを握りながら光明に薄れ消えてゆく月を眺めていた。神秘性を秘めたロマンチックな明け方の光景。駐車場にクルマを停めて歩き出した。空は青くなりつつあったが白い月は浮いたまま僕を眺めている。その姿は地味で強調のない確かな存在感がある。僕は目を凝らして月に住むうさぎを確認したのであった。

 うさぎが月に住む様になった理由。山でおなかがすいて動けなくなって倒れたおじいさんを猿、狐、うさぎが食べ物を集めて助けようとする日本のむかし話。うさぎは焚き火に飛び込んで焼かれ自らの肉を捧げた。おじいさんの正体は山の神様であった。その犠牲行為に涙を流した神様は、「おまえは死んではいかん、皆が忘れぬように月で暮らすがよい。」と、月にうさぎを送ったのである。月を観てうさぎを見たならばこの物語が共鳴する。月を見あげる者に伝えんとするおじいさんの涙を思うのである。