梨とリンゴ

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オモイという想念を表現する

 無常というのはこの宇宙にある全ての存在に対する実体である生滅流転を表現した言葉である。太陽の下の昼間、月の支配する夜、季節の変化があり歳月は流れ、創造と破壊を繰り返す。宇宙の掴み所は常動であり静止は存在しない。では、その実体を表示する為の手段が存在するのか?という問いに対しての一つの手段が抽象画ではないかと思う。

平井知行 浮遊するオモイ 終わりは始まりの兆しを秘めている

 鳥取住在の抽象画家、平井知行さんの ”浮遊する想い” シリーズの中にある消化された想いを表現した一枚の絵。抽象画の素晴らしさは学校で習う1+1=2の様に決まった答えがはじき出されるのではなく、各自の人生経験と思考によって感じる世界が様々である事である。人は目を閉じるとそこには何も見えないと決めている節があるが、実はそうではない。人間の持つ感性、そして、それを啓発する為の鑑賞の機会は人が忘れかけているオモイの中にある自由を啓発させてくれる。平井さんの描く抽象画にはそういった使命があると感じている。